棟梁とは、建物の主体である「棟」と「梁」、すなわち「重要な土台」を意味する言葉で、かつては集団の統率者を指す言葉として用いられており、武家の世界でも棟梁=頭領と同義語として使われていたようです。
日本の建築業界において、明治期以降に「建築家」が養成され、建築における様々な分野で分業化・専門化が進むまでは、棟梁が建築事業の総てにおいて権威者として存在していました。
具体的には、経営者として「受注」「資金管理」「人事・教育」「積算」、建築家として「意匠デザイナー」「構造・設備設計士」「施工監理」、施工技術者として「現場監督」「職人」「工具開発」「工法開発」という、あらゆる分野の能力を有する、まさにスーパーマンといっても過言ではない存在です。
現在の建築士制度が整備される以前、初代から3代までおおよそ80年間、当社の現場は「棟梁」差配してきました。効率や合理性が求められる現代においても、「棟梁」がお客様の夢を具体化する、そんな住宅づくりがあってもいいのではないでしょうか?